
融資型クラウドファンディングの業者としてどこを思い浮かべるかと言う問いに対し、必ずと言っていいほど、思いつく業者の一つにクラウドバンクがあります。
1万円から投資ができる業者として注目され、投資ファンドにおいては、不動産投資以外にも自然エネルギー開発などの様々な投資ファンドを取り扱っており、投資家にとっても魅力や面白さを感じる営業者です。
ここでは、そんなクラウドバンクの特徴と取り扱いを行なっている投資ファンドの選び方、そして注意点を紹介していきたいと思います。
この記事の目次
クラウドバンクはどんな融資型クラウドファンディング業者?

クラウドバンク(CrowdBank)は、日本クラウド証券が運営する融資型クラウドファンディング(別名ソーシャルレンディング)と呼ばれるサービスです。2017年3月現在、累計応募金額が119億円を超えるほど投資家が集まっている人気業者とも言えます。
そもそも、クラウドファンディングとは不特定多数の人がインターネットを通じて、資金を必要としている人や組織に対し、寄付や投資によって協力をするサービスを指し、融資型クラウドファンディングはお金を必要としている人や組織に対して、お金で融資する代わりに利子を付けた形で償還するシステムです。
融資型クラウドファンディングの魅力は銀行より高い利回りが魅力であることから、クラウドバンク側は、会社として年利5%以上を目指した資産運用を実施しています。
昨今の日本では銀行の定期預金ですら0%台の時代ですから、それを考えると年利5%以上は非常に魅力的ですね!さらに少額投資から大型投資商品まで自分の余剰資金に合わせた出資ができるために、一般の人でも簡単に取引を始められるメリットがあります。
クラウドバンクの会社概要
クラウドバンクの会社概要 | |
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会社名 | 日本クラウド証券株式会社 |
英文商号 | Crowd Securities Japan, Inc. |
所在地 | 〒106-0032 東京都港区六本木七丁目4番4号 六本木Artshell 5F |
代表番号 | TEL: 03-6447-0011 FAX: 03-6447-0012 |
役員・顧問 | 代表取締役社長 橋村 純 取締役 内部管理統括責任者 土井 充 取締役 斉藤 洋 取締役 片岡 直毅 社外取締役 喜多埜 裕明 社外監査役 大内 明 |
資本金 | 157,400,000円 【平成28年11月末現在】 |
主な事業内容 | ・クラウドファンディング事業 ・有価証券の募集・売出し及び私募の取扱い並びにその売買、売買の媒介及び取次ぎ又は代理業務 ・グリーンシート及び金融商品取引所への株式公開支援その他のコンサルティング業務 ・ファンドの組成、募集取扱、管理等に関する業務 ・M&A、財務支援、資本政策等に関する情報提供・コンサルティング業務 |
金融商品取引業登録 | 第一種・第二種金融商品取引業: 関東財務局長(金商)第115号 |
加入団体 | 日本証券業協会 |
主要株主 | クラウドバンク株式会社 |
クラウドバンクはどんな投資案件を扱っているか?
投資家としては、投資するからにはクラウドバンクがどんな案件を取り扱っているのか、またその案件にはどの様な特徴があるのか気になる所です。
クラウドバンクを取り扱っている投資ファンドは大きく3つの分類にわけることができます。その3つとは、不動産投資案件ファンド、中小企業支援型ローンファンド、自然エネルギー開発関連ファンドです。
不動産投資案件ファンド
不動産物件に対して、これから建て上げるため、もしくは不動産を購入するための必要資金を調達するために、融資型クラウドファンディングを通して資金を募集している投資ファンドです。
この投資ファンドに対しては不動産と言う担保があるため、万が一貸し倒れが起きた時でも、担保を売却して資金を回収するスキームが出来ているため、投資家にとって安心できる要素となります。
また、目標利回りは年率5.0%前後がほとんどで、他の案件と比較すると若干低めになっている事が多いです。
利回りが低いと、一見魅力の低い案件に見えてしまいますが、低利回り=低リスクという事ですので、リスク面を気にしている初心者にとっては手が出しやすい案件と言えます!
中小企業支援型ローンファンド
この案件は中小企業が資金を必要としているときに、融資型クラウドファンディングを通じて資金調達し、投資家に対して還元する投資ファンドです。中小企業を応援したいと言う社会貢献にも役立つファンドとも言えます。
投資家にとって中小企業に融資をすることはとてもリスクがあると感じますが、クラウドバンク側でもその点においてはしっかりと審査を行っているので安心です。
具体的には、融資先として会社の財政状況が健全なのか、返済が可能なのかを審査し、さらに貸し倒れリスクにおいても保全の仕組みをとっています。故に、中小企業だからと懸念する必要はありません。
中小企業支援型ローンファンドは担保としてはその企業の株式譲渡担保、保証においては代表者連帯保証をとっている場合もあり、中小企業だからと言ってまったく担保がないと言うわけではないためご安心を。
そもそも、日本のクラウドバンクを含めた融資型クラウドファンディング業者での中小企業支援ローンファンドにおいては審査は意外としっかりとしており、これまで貸し倒れを起こしたと言う話を聞いたことがありません。
また、中小企業支援型ローンファンドは目標利回りが平均6.0%前後と不動産投資案件ファンドより高いことから、魅力のあるファンドとも言えます。
銀行から融資を受けるためには様々な審査基準をクリアする必要があるため、中小企業にとってもこれまでなかった金融スキームとして非常に注目されているローンファンド案件です!
クラウドバンク以外にも、中小企業への融資を中心として出資先の幅を広げようと言う動きが業界の中でも広がっているため、これから増えてくる案件と言えるでしょう。
自然エネルギー開発関連ファンド
自然エネルギーの開発をするために融資型クラウドファンディングを通して資金調達するファンドです。クラウドバンクが取り扱う自然エネルギーには、太陽光発電、風力発電があり、最近ではバイオマス発電の投資ファンドも出てきました。
このバイオマス発電は可燃ごみや間伐材、生ごみ、廃油などを燃焼や発酵することでタービンを動かし、電力を生み出します。
自然エネルギーのメリットは大きな自然災害がなければ、安定をしていることや国の「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」があることです。つまり、発電した電力に対し、電力会社が一定価格で買い取ることが国として約束されているため、売電価格に安定性を求める事が出来ます。
例えば、不動産賃貸事業においては収益が空室状況や入居者の滞納リスクなどの観点から、利益が変動することもあり、安定性にも不安な面もありますが、再生エネルギーの事業はそのような懸念がありません。
このように、収益に安定性をしっかり持ちたい方にとっては再エネ案件は魅力的な内容で、目標利回りは6.0%前後の案件が多くなっています。
以前より太陽光発電投資のような再エネ案件は人気がありましたが、如何せん莫大な資金が必要となるということで懸念されがちだった案件です!
クラウドバンクを利用することで、人気の再エネ案件にも1万円という低資金から出資が可能な点は、これまで再エネ投資に参加できなかった投資家層に需要がある案件と言えます!
クラウドバンクで投資するにあたっての注意点
この記事内でも紹介したように、クラウドバンクはいろんな投資ファンドを取り扱っているため、それぞれの特徴を理解した上で投資する事が必要です。また、クラウドバンクにおいては会社として注意する点があります。
今でこそ健全性が保たれていますが、クラウドバンクはファンドの償還遅延が起きたという過去があります。それ以外にも未払いという事があり、クラウドバンク側から投資家に対して遅延損害金として対処を行った事もありました。
クラウドバンクの対応だけ見ると誠実ではありますが、投資家にとって懸念材料になるような出来事が起きたのは事実です。
今のクラウドバンクは金融庁の介入や、業務停止を経てしっかりと対応、運営を行っているため安心であると言えますが、投資を行う際はその点も踏まえて、投資家にはクラウドバンクの実体をしっかり見極める必要があることを念頭においておきましょう。
しかし、これは一見クラウドバンクを批判しているようにも見えますが、そうではありません。
利用するからには、過去の出来事も含めて十二分に営業者の事を知ることこそ、投資家の資金を減らさないためのリスク軽減に繋がります。特に、融資型クラウドファンディングは投資に対しては、まだまだ新規参入であることから、投資家からはしっかりと会社の健全性を把握する必要があるのです。
そしてどんな時でもリスクに対して対応できる、最低限の知識を持って資産運用に挑むように心掛けましょう!
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