
2018年下半期、ソーシャルレンディング業界の衝撃的なニュースが発表されましたね。
maneoマーケットが関係するグリーンインフラレンディング社が募集した融資案件で集まった資金が、募集要項とは異なった使い道をされていたという内容でした。
それに関して様々な報道がされ、2018年7月13日、ついにmaneoマーケットに行政処分が下されました。
ここでは、
・結局どんな問題があったの?
・行政処分の内容とは?
・グリーンインフラレンディング社とmaneoマーケットの関係ってなんなの?
という疑問をかみ砕いて分かりやすく解説していきたいと思います。
この記事の目次
事の発端は、集まった資金の使い道が募集要項とは違っていたこと
クラウドファンディングやソーシャルレンディングは、「こんな事をしたいからお金を集めたい・貸してください」という個人や企業に対して投資家がお金を貸してあげたり、お金を寄付する代わりにサービスや商品でリターンを受けるというシステムですよね。
投資家は「この人(企業)がやりたいという内容を応援したい!」という思いから投資先を決め、実際にお金を投資します。
ですから「どんな人(企業)がお金を使うのか」「どんな風にお金が使われるのか」というところが一番重要な部分でもあります。
そして実際に募集する時には「こんな風にお金を使いたい」「こんな事業をやっている会社の事業資金にしたい」という様にお金の使途をしっかり明記することによって投資家からのお金が集まりやすくなります。
実際に今回の件では、maneoマーケット公式サイトやグリーンインフラレンディング公式サイトでも説明がある様に、
maneoマーケット社は、グリーンインフラレンディング社からは、「最終資金需要者が特定の太陽光発電所やバイオマス発電所等の開発資金として使用する」との説明を受けるなどして、その旨を認識し、投資家の皆様にもご説明して参りました。
しかし、6月29日付のお知らせにありますように、最終資金需要者の認識や見解について説明を受け、事実関係の確認を実施いたしましたが、ファンド募集資金の一部が投資家の皆様へのご説明とは異なる使途に一部資金が使用されたものと評価せざるを得ないとの判断に至りました。
太陽光発電所やバイオマス発電所などの開発にお金を使うという説明を受けていたのに、実際には融資金の一部が違う事に使われていたということでした。
現在は融資先の情報は匿名化されている
とは言いつつも、現段階では融資先の名前や詳細情報は投資家には分からないようになっています。つまり「匿名化」されているのですね。これを「匿名組合契約」と言います。
ですから投資家は間に入るクラウドファンディング営業者からの情報を頼りにするしかなく、その後どんな業者がどんな風にお金を使っているのかの全てを知ることはできないのが現状です。
maneoマーケットとグリーンインフラレンディングの関係
今回、グリーンインフラレンディングのサイトで募集された案件について、maneoマーケットに業務改善命令がなされました。
何故maneoマーケットが募集した案件ではないのにmaneoマーケットが業務改善しなくてはいけないの?と思う方も多いかと思います。
グリーンインフラレンディング株式会社の親会社はJCサービス株式会社ですが、グリーンインフラレンディングはmaneoマーケット株式会社のプラットフォームを利用しています。つまり案件の募集の管理はmaneoマーケットだということ。
またグリーンインフラレンディング社は貸金業の免許は持っていないので直接融資先にお金を貸すことができません。そこで貸金業の免許を持っているmaneoマーケットがその貸金業の業務も代行しているのですね。
いろんなニュースを見ていると親会社であるJCサービスは全然出てこないね。。。
そうじゃな。maneoマーケットが集中砲撃を食らっている様な印象じゃ。
maneoマーケットが受けた業務改善命令の内容
という訳で上記の通り、案件の管理の大元で貸金業免許を持っているmaneoマーケットが今回の管理責任者という位置付けにあると判断されました。
「maneoマーケットの管理が甘かったから融資先が案件通りのお金の使い方をしなかったんじゃん!」ということになり、その結果maneoマーケットが業務改善命令を受けることになったんですね。
今回maneoマーケットが受けた業務改善命令は、以下の通りです。
【業務改善命令の内容】
(1)今般の法令違反及び投資者保護上問題のある業務運営について、責任の所在を明確にするとともに、発生原因を究明し、改善対応策を策定実行すること。
▶︎責任は誰にあるのか、何故こんな事が起こってしまったのか、今後どんな風に改善していくかをはっきり示して下さい(2)金融商品取引業者として必要な営業者の選定・管理に関する業務運営態勢等を再構築すること。
▶︎もうちょっと自分たちの管理下にある営業者の管理をしっかりして!(3)本件行政処分の内容及び改善対応策について、全ての顧客を対象に、適切な説明 を実施し、説明結果を報告すること
▶︎今回の件について投資家たちにしっかりと説明してね(4)顧客からの問い合わせ等に対して、誠実かつ適切に対応するとともに、投資者間 の公平性に配慮しつつ、投資者保護に万全の措置を講ずること
▶︎投資家から今回の件について問い合わせがあったらちゃんと対応して、投資家たちをしっかりと守ってね(5)上記(1)から(4)までの対応について、平成30年8月13日までに、進捗状況及び対応結果について報告すること。 以 上
▶︎上に書いた命令についてちゃんと進捗と内容を報告してね
この様な命令を受けることとなりました。
業務停止の命令ではないので、maneoマーケットの他の案件に投資している方々はひとまずは大丈夫といったところかな。
結局誰が悪いの?
今回の件で、業務改善命令を受けたのはmaneoマーケットだから、maneoマーケットが悪かったんだよね~と思う方が多い中、結局誰が悪いのかごっちゃになっている方も多いのではないでしょうか。
確かにmaneoマーケットが管理しているプラットフォーム上で今回の案件は募集され、実際に融資先への貸金をするにあたっての「貸金業者」という免許と責任を負っていたのはmaneoマーケットなので、業務改善命令を受けるに値する責任はあったと考えるのが妥当かもしれません。
ですが、そのmaneoマーケットのプラットフォームを借りて、貸金業も代行してもらった上で、今回の案件募集を実際に行ったのはグリーンインフラレンディング。
そしてそのグリーンインフラレンディングの親会社であるJCサービスには何の責任も無いと言えるのでしょうか?
どんな融資先なのか、融資先が募集通りのお金の使い方をしてくれるかなどの調査は少なくともグリーンインフラレンディングも行っていたはず。
そしてその責任はJCサービスにも及ぶはずです。
maneoマーケットはそんなに悪くない?
ですから今回の件は「maneoマーケットはそんなに悪くないんじゃ?」と考える方も沢山います。
7月の頭に今回の報道が出て、13日に業務改善命令を受けるに至りましたが、maneoマーケットで募集されている他の案件は引き続き満額成立しているものが沢山あります。
そんな報道や処分を受けているのだから投資家にとっては不安材料にもなってmaneoマーケットを利用する人も減りそうではありますが、報道前と変わらず多数の案件が成立しているという事は、「今回の件はmaneoマーケットばかりが悪い訳ではない」「maneoマーケットは引き続き利用していきたい」と考えている方も変わらず多いと考えられますね。
何よりも今回の案件に投資した方々の保護がどの様になされるのか、今後の対応に注目していきたいところですね。
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