
投資に絶対はなく常にリスクは付き纏うもの。投資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)も金融商品である以上は投資なので、望んでいない自体が投資家には起きる可能性があります。
最大手営業者のmaneo(マネオ)においては順調に貸し倒れがない状態が続いていましたが、最近投資ファンドに延滞が発生したことが発表されました。この延滞発生において、今後はどのような流れが考えられるか見ていきましょう。
この記事の目次
maneo(マネオ)で延滞が発生したというお知らせ
maneoのサイトからある投資ファンドに延滞のお知らせが発表されました。
投資家の皆様へ
いつもmaneoをご利用いただきまして誠にありがとうございます。
この度、下記融資案件について、2017年3月28日の元利金の未回収が発生いたしましたので、対象ファンドの詳細と今後の債務者からの回収、投資家の皆様への分配について、以下の通りご報告させて頂きます。
なお、下記対象ファンド以外の全ファンドにつきましては、2017年3月28日の約定返済は回収済みであり、延滞等は発生しておりません。
1.融資案件の概要
案件ID 5195
貸付実行日 2015年11月6日
融資金額 35,000,000円
最終返済日 2018年11月28日
URL https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=280
残高 22,689,544円案件ID 5197
貸付実行日 2015年11月6日
融資金額 22,258,152円
最終返済日 2018年11月28日
URL https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=281
残高 14,429,337円案件ID 5220
貸付実行日 2015年11月11日
融資金額 12,740,000円
最終返済日 2018年11月28日
URL https://www.maneo.jp/apl/fund/detail?fund_id=291
残高 8,227,813円
最近のソーシャルレンディングは行政処分が下る事例が発生するなど、投資家にとってはソーシャルレンディングを不安視せざるを得ない状態になっているのも事実です。
そのタイミングで延滞発生の知らせが届いたため、多くの投資家が驚く結果となってしまったわけですが、内容としては事業性資金支援ローンファンドとして募集したAV社に対する融資において、上記の3案件で元利金の未回収が発生がしたというもの。
36回での分割返済の約定で融資を行い、債務者より2017年2月28日まで15回の返済を受けているものの、返済の遅延案件が発生したことでデフォルトが生じる可能性を示唆しています。
なお、延滞が発生した3案件以外の案件は予定通り運用が行われているとの事なので、この案件以外に投資している方はデフォルト(貸し倒れ)の心配はありません。
担保は設定されているのか?
ソーシャルレンディングで貸し倒れが発生した時に、唯一投資家の資産を守ってくれる取組みが担保や保証といったシステムですが、今回延滞が発生した案件をmaneoの公式ページ内で確認すると担保も保証も設定されていませんでした。しかし、発表には以下のように記載されています。
2.経過
2017年3月中旬に本件融資における延滞の懸念を認識いたしました。債務者との連絡は続けておりますが、債権者として満足する状況の把握には至っておりません。
投資家の皆様へはローンファンド詳細画面で告知いたしませんでしたが、別途1社2名との連帯保証契約および保有不動産に対する第2順位での根抵当権設定契約を締結しておりました。
融資実行当初は登記留保の状態でしたが、現在は登記申請し、登記済みの状態となっています。投資家の皆様に告知しなかった理由は、これらの保全措置は融資金の全額を担保できるものとは言い難く、投資判断上の誤解を避けたいがためでした。
現在すでに、法的手続き等による回収行動を開始しております。詳細については、継続的に該当の投資家の皆様へお伝えいたします。
これはつまり、「ファンド画面内では“担保&保証なし”と掲載していたけど、実は担保は設定してたよ!」という旨の内容です。
設定されていないと思っていたはずの”担保”が、実は設定されていた。
なんとも驚く内容の話ですが、ファンド画面内で担保告知を行わなかった理由を、保全措置は融資金の全額を担保できるものとは言い難かったとmaneo側は説明しています。
延滞が発生してしまったという点では残念な事態となってしまいましたが、maneo側の説明を読む限り「100%担保出来るものでなければ”担保”と呼べない」という意味合いが込められているようで、maneoの意識の高さが伺えたのではないでしょうか。
延滞発生の回収の見込みについて
投資家として気になる点はやはり「回収の見込みはあるのか」という点でしょう。この件に関して、maneoは以下の様に発表しています。
3.回収の見込み
状況把握に努めておりますが、現時点では回収については不明の状況です。今後、あらゆる手段で回収を試みます。
このように、資金回収についての明確な回答はありませんでした。現時点では資金の回収目処は経っていないような印象を受けます。
しかし、“担保=融資金の全額を担保できるもの”と考えているmaneo側の認識を汲み取ると、一部の元金は戻っても100%はわからないと説明しているように受け取ることもできるため、ある程度の資金回収は目処が経っているのかもしれません。
追記:maneoの遅延案件が回収完了!
ソーシャルレンディング業界を賑わせたこのmaneoの遅延案件ですが、2017年11月に未回収分の元金・利息が全額回収されたと発表されました!
10月6日にmaneoの瀧本憲治社長から報告があり、どうやら、記載はしていなかったものの設定されていた担保の不動産が売却できたとのこと。これにより「貸付元本の全額」「デフォルト時までの利息」「デフォルト時から今までの遅延損害金の一部」を回収できたようです。
管理人はこの案件に投資はしていなかったものの、maneoを利用する投資家の一人だったので気が気ではありませんでした。しかし、この発表を聞いて心底ほっとしています。
また同時に、貸し倒れが発生した後のmaneoの対応に対しても納得できるものでした。
maneoの対応は投資家として納得できるものだった
今回、国内最大の営業者で貸し倒れが発生してしまったわけですが、冒頭でも述べたように金融商品である以上は投資家にはリスクが付き纏いますし、投資している投資家もそのリスクは承知で出資しているはずです。
本音を言えば、延滞案件やデフォルトになるような事態は今後避けてもらいたいというのが投資家としては正直なところですが、金融商品である以上、サービスが拡大していくに連れてそのような事例も増えてくる事でしょう。
ただ、今回の延滞の発表を受けて、管理人はクラウドポート主催のソーシャルレンディングサミットに参加させて頂いた時の安達氏(maneo)の言葉を思い出しました。
安達氏は「未来永劫貸し倒れが起きないというのはあり得ない。事故が起こってしまった場合、なぜ起こったのかということをいかに投資家に納得してもらえるような説明ができるか重要。」と発言しており、その点については今回の対応は投資家も納得できるものだったのではないのかと思います。
今回の事態を受けて投資家が注意する点
今回はmaneoの対応でなんとか元本の回収ができましたが、いずれにせよ投資家としては損失が出るという事態は避けたい所です。今回の延滞発生を受けて、今後投資家はどのような点に気を付けて出資先を選ぶ必要があるか考えてみました。
前提として”分散投資”を行う
これは散々当サイト内でも伝えてきた事ですが、ソーシャルレンディングで資産を運用する際は必ず分散投資を心掛けましょう。
今回のmaneoの例を考えてみても、AV社以外の貸付先では予定通り運用が行われているため、一つの貸付先だけで運用を行わなければ最悪のケースは防ぐ事ができます。
幸いな事に、ソーシャルレンディングは1つの案件に数万円という少額から出資を行うことができるため、余剰資金を上手く振り分ける事でリスク軽減を図るように心掛けることが大切です。
担保の有無を事前に確認しておく
今回の案件は、表面上担保が設定されていと言うのは予め通知された上で募集が行われていましたし、これは投資家が出資する段階で確認する事ができます。
結果的に言えば「別途1社2名との連帯保証契約および保有不動産に対する第2順位での根抵当権設定契約を締結しておりました」とmaneo側が説明している通り、担保が設定されていたわけですが、デフォルトの事を考えるのであれば担保ありと記載されている案件に出資するように心掛けましょう。
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