
日本で初めてソーシャルレンディングサービスを開始したmaneo。業界最大手の営業者として知られているソーシャルレンディング営業者ですが、マネオを運営している“maneoマーケット株式会社”は他にも様々なサービスを取り扱っています。
今回はmaneoマーケット株式会社が取り扱っているマネオ以外のサービスについて、その特徴を見ていきましょう。
この記事の目次
どんな仕組み?maneoマーケット株式会社とは
maneo株式会社とmaneoマーケット株式会社は一見同じ会社のように感じてしまいそうですが、maneoマーケットは投資家の募集や勧誘を行う別会社です。

・maneo株式会社 → 貸金業者、匿名組合営業者
・maneoマーケット株式会社 → 第二種金融商品取引業者
マネオの場合、maneo株式会社とmaneoマーケット株式会社の2社体制で運営が行われています。投資家の資金はmaneo株式会社(マネオ)で分別管理されており、投資家は貸金業の免許を持っているマネオを通す事で出資先となる企業や事業主に貸付を行うことが可能です。
maneo株式会社(マネオ)以外の営業者の場合
LCレンディングの場合のスキーム図は以下の様になります。

このように、maneoマーケットで投資家募集、誘導を行いLCレンディングを通して出資するというスキームです。ちなみに、LCレンディングとmaneoマーケット株式会社間には匿名組合出資私募取引契約が結ばれています。
ここではLCレンディングを例に挙げましたが、maneoマーケット株式会社が運営(投資家募集、勧誘)するソーシャルレンディングのスキームは全てこの形です。各社のホームページを見てみるとわかりますが、運営者の情報欄にはいずれも「maneoマーケット株式会社」の文字があるのはそのためですね。
マネオを含む、合計10社のサービスの特徴
maneoマーケット株式会社が取り扱っているサービスはマネオ以外にも10社のサービスがあります。それぞれ営業者に特徴があり、取り扱っているローンファンドに違いがあるため、投資家は興味ある分野に絞って出資先を選ぶことが可能です。
それでは一つ一つ特徴やメリット、リスクやデメリットなどを見てみましょう。
マネオ
マネオはmaneoマーケット株式会社がメインとして取り扱っているソーシャルレンディングサービスです。投資案件も非常に多く、不動産投資、中小企業支援などの案件を中心に投資家に提供しています。
日本で最初にサービスを開始したソーシャルレンディング営業者としての信頼度も高く、これまで集めた成立ローン総額は2017年12月の時点で900億円越えと、実績、規模ともに日本国内で一番大きい営業者と言えるでしょう。
実は“営業者としての実績がある”というのは重要なポイントで、投資家はソーシャルレンディングの性質上、貸付先となる企業(事業主)の情報を知る術がありません。
つまり、投資商品に対して「どこの企業に出資するのか」「具体的な資産用途や内訳は」という透明性を求める事ができない現状、営業者の信用性がリスク軽減の第一歩となります。
利回りや投資額の敷居の高さという観点ではマネオより好条件で案件を提供している営業者も多いため、利益率に重点を置く場合は魅力に欠ける部分があるのも事実ですが、これから投資を始める方や資産運用に安全性、信頼性を求める方にとってはオススメの営業者です。
マネオの評価 | |
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信頼性 | ★★★★★ |
期待利回り | ★★☆☆☆ |
案件数 | ★★★★★ |
LCレンディング
LCレンディングは、不動産のプロフェッショナルであるLCホールディングス株式会社の一つとして、株式会社LCレンディングが運営しているソーシャルレンディングサービスです。
LCレンディングの他にも、LCグループとしてプロパティマネジメント事業や不動産賃貸関連事業を展開する株式会社ロジコム、ファンドマネジメント事業やアセットマネジメント事業を行う株式会社LCパートナーズなどの関連会社があるため、企業としても信頼度が高い営業者ということがわかります。
また、募集されている案件の中には「東証JASDAQ上場企業であるLCホールディングス㈱の保証」が付与されている案件も多く、リスク面が気になる投資家にとっては比較的安心して出資が行える営業者ではないでしょうか。
LCレンディングの評価 | |
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信頼性 | ★★★★☆ |
期待利回り | ★★★☆☆ |
案件数 | ★★★☆☆ |
ガイアファンディング、アメリカンファンディング
ガイアファンディングとアメリカンファンディングはそれぞれ似たようなサービスであり、日本でなく海外の不動産事業者に向けた融資を行うソーシャルレンディングサービスです。
2社とも米国の不動産事業者向け融資を目的としているため、米国の景気によって投資ファンドが増える可能性があります。
メリットとしては、2~3万円という少額から投資が可能であり、国内の案件だけでなく海外案件に興味がある、国内の不動産だけに投資をするのは心配だから海外の不動産に併用して運用を行っていきたいという方にとってはおすすめの営業者と言えるでしょう。
逆に、リスクやデメリットとしては、出資先が海外となるため情勢が読み難い事や、ガイアファンディングの取り扱っている投資ファンドの運用期間は、ほとんど1年以上の中期~長期案件が多いという点が考えられます。
ガイアファンディングの評価 | |
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信頼性 | ★★★☆☆ |
期待利回り | ★★★★☆ |
案件数 | ★★★☆☆ |
アメリカンファンディングの評価 | |
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信頼性 | ★★★☆☆ |
期待利回り | ★★★★★ |
案件数 | ★★☆☆☆ |
クラウドリース
クラウドリースは日本の中小企業の経営支援、店舗ビジネスに対して投資をしていくソーシャルレンディングサービスです。そのため、募集金額もそれほど多くなく、期待利回りも一定の高さ(9%前後)を誇っているのが特徴となっています。
融資を行う先も、アミューズメント事業者や衛生用品販売会社など、他のソーシャルレンディング業者とは異なったジャンルとなっており、新しい投資スキームとして注目されていると言えるでしょう。
リスクやデメリットとしては中小企業を相手に投資をするため、貸し倒れという部分が心配になりますが、今のところは審査には中小・ベンチャー企業の事業支援を数々手がけてきた経験豊かなメンバーが審査しているために、貸し倒れやトラブルがなく運営しているようです。
クラウドリースの評価 | |
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信頼性 | ★★★★☆ |
期待利回り | ★★★★★ |
案件数 | ★★★☆☆ |
スマートレンド
スマートレンドは様々な企業に対して融資をしていくソーシャルレンディングサービスであり、案件の中には国内企業の大小プロジェクトや海外進出している日本企業、継続的に成長が見込める企業に対して投資案件、社歴が浅い優良企業に対する投資案件など、様々な案件に対しての投資ができるソーシャルレンディングサービスとなっています。
中小企業支援という投資ジャンルはソーシャルレンディングではよく見る光景ですが、スマートレンドの海外事企業にむけた投資スキームを見ると、更に企業が進出するために用意されたサービスであると言うことが出来るでしょう。
他にも、案件の中にはエステティックサロンを利用する女性向けのクレジットサービス事業者の業容拡大や香港で消費者金融事業を営む事業者に対しての事業支援などが存在しています。
比較的少額から出資ができ、運用期間が短いというメリットの反面、中小企業相手に投資をするために、貸し倒れなどの懸念は常に付き纏う事になるかもしれません。
スマートレンドの評価 | |
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信頼性 | ★★★☆☆ |
期待利回り | ★★★★☆ |
案件数 | ★★☆☆☆ |
グリーンインフラレンディング
グリーンインフラレンディングは再生エネルギー事業に特化したソーシャルレンディング営業者です。再生エネルギー事業は20年固定価格買取制度の影響で人気のあるジャンルですが、比較的新しい営業者なため運営実績がないという点からか、非常に高利回りの案件が揃っている印象を受けます。
再生可能エネルギーに興味がある方や安定的に利回りを狙いたい、それも高利回りでという投資家にとってはメリットですが、ある程度営業者としての実績がなければ不安という投資家にとっては使い辛いという印象を受けるかもしれません。
ただ、maneoグループの中では利回りがずば抜けて高いという点では投資家が集まっている印象があり、成立ローン総額も2017年12月現在で117億を越える結果となっています。そのため今後ますます注目されていく業者の一つであるといえるでしょう。
グリーンインフラレンディングの評価 | |
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信頼性 | ★★☆☆☆ |
期待利回り | ★★★★★ |
案件数 | ★★☆☆☆ |
さくらソーシャルレンディング
都内にオフィスを構えるソーシャルレンディング営業者が多い中、福岡にオフィスを構えるさくらソーシャルレンディング。地方の投資案件に対してソーシャルレンディングを通して、地方の活性化に努めている特徴があります。
中小企業や不動産開発事業などへの融資が多いソーシャルレンディングですが、さくらソーシャルレンディングは地方創生型のソーシャルレンディングであるため、他の営業者にはない投資分野として面白い内容となっていると言えるでしょう。
最低出資額は案件によって異なりますが、多くの案件で2万円~3万円という少額の資金から出資が可能なため、初心者の投資家でも比較的参加しやすい条件が揃っていますが、出資先が「地方の投資案件」という点を見ると都心をターゲットとしている案件より透明性が薄れるというところは懸念点となるかもしれません。
さくらソーシャルレンディングの評価 | |
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信頼性 | ★★☆☆☆ |
期待利回り | ★★★☆☆ |
案件数 | ★★☆☆☆ |
キャッシュフローファイナンス
キャッシュフローファイナンスは比較的新しいソーシャルレンディングサービスで、安定した収益確保を狙った運用を実現するよう心がけている営業者です。
案件内容を見てみると不動産事業者支援が目立ちますが、業界初となるであろうコインランドリーファンドなど新しい要素も取り入れています。 コインランドリーを利用する方も今はとても多いことから、将来的に安定的な収入が見込めるため投資家にとっても面白い案件の一つと言えるでしょう。
今後、このような案件が多く出てくるようになれば、投資家としては出資先の選択肢が広がるため大きなメリットとなるかもしれません。まだまだオープンから日が浅い事から実績自体はこれからという印象を受けますが、ポテンシャルとしては高いものを持っている営業者だと思います。
キャッシュフローファイナンスの評価 | |
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信頼性 | ★★★☆☆ |
期待利回り | ★★★★☆ |
案件数 | ★★☆☆☆ |
アップルバンク
2017年4月10日にサービス開始となったアップルバンクは給料前払いシステム事業、担保付不動産ビジネス事業、不動産デベロップメント事業に特化したソーシャルレンディング営業者です。
募集されている案件を見てみると、投資額は2万円~、運用期間は3ヶ月~6ヶ月と比較的短い期間での投資が可能となっており、初心者でも気軽に参加できるような敷居の高さだと言えるでしょう。
給料前払いシステム事業とは?
給料前払いシステムとは、従業員が多数いる企業に導入し、その従業員が働いた分の給料を前払いで受け取ることができるサービスです。 企業の悩みである人材募集、離職率の課題を前払い、日払い、週払いを導入することで解決します。このシステム導入により、募集効率の向上、コストも削減に繋がり、また、従業員への福利厚生として活用されております。 アップルバンク
アップルバンクの評価 | |
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信頼性 | ★★☆☆☆ |
期待利回り | ★★★★☆ |
案件数 | ★★☆☆☆ |
新規追加!プレリートファンド
プレリートファンドは、まさに2017年12月11日からサービスを開始した新しい運営会社です。その名の通り、「リート(REIT)の前段階(プレ)」への投資として、今までプロ投資家の領域だったREITを一般の投資家でも享受できるようにした仕組みとなっています。
気になる案件は、今後の社会経済発展に必要不可欠となる観光・ヘルスケア・エネルギー・インフラなどの分野への良質な不動産投資が中心です。また特徴として不動産投資案件の情報開示が成されており、かなり透明度の高い案件となっています。
まだサービス開始したばかりなので案件も少なく実績もないのが難点ですが、やはりmaneoグループへの信頼は大きくサービス開始1週間で既に登録ユーザーは700人を越えるほど。現在募集されている案件も利回り5~8%と比較的高いので、今後に期待といったところでしょうか。
プレリートファンドの評価 | |
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信頼性 | ★★☆☆☆ |
期待利回り | ★★☆☆☆ |
案件数 | ★☆☆☆☆ |
投資案件で営業者を使い分けよう!
このページで紹介したように、マネオ系列のソーシャルレンディング営業者を見ただけでも特徴が分かれており、ジャンルの異なった投資が可能なことがわかると思います。投資を行う際は分散投資がリスク軽減の基本となるので、リスクを分散させるという目的として様々なジャンルの案件に出資してみるのも面白いかもしれません!
そのほかソーシャルレンディング運営会社はこちらから!