LENDEXの筧社長へインタビュー
2017年に新規参入したソーシャルレンディング運営会社、LENDEX(レンデックス)。
大手不動産会社「東急リバブル」と提携し、安全性を追求した不動産担保つきのローンファンドに投資可能。さらには期待利回り“10%前後”の魅力的な案件を提供し、高利回り狙いの投資家からも人気を集めています。
しかし、そんなLENDEXもソーシャルレンディング業界においては、まだ新規参入の新しい運営会社。一体どんな会社なのか気になっている人も多いのではないでしょうか?そこで今回はLENDEXの筧社長を直撃!インタビューを実施し、サービスの全貌から今後の展望まで事業者としての考えを聞いてみました。

株式会社LENDEX(レンデックス)代表取締役 筧 悦生
慶應義塾大学商学部卒業。公認会計士、税理士の資格を持ち、2000年に株式会社アーケイディア・グループを設立。2017年にソーシャルレンディングサービスLENDEXを開始。
この記事の目次
LENDEX(レンデックス)とは?
社長に関する質問
1. 筧社長の経歴について

筧社長の経歴を教えて下さい

私自身、大学卒業後は公認会計士の資格を取得し、2000年に株式会社アーケイディア・グループ、2004年に清和監査法人を設立して現在に至ります。詳しくは私の経歴を見て頂ければと思います。
経歴 | |
---|---|
1989年3月 | 慶應義塾大学商学部卒業 |
1991年3月 | 早稲田大学大学院商学研究科卒業 |
1991年4月 | 大原簿記学校公認会計士課専任講師 |
1992年10月 | KPMGセンチュリー監査法人(現新日本有限責任監査法人)入所 |
1995年3月 | 公認会計士登録 |
1998年7月 | 税理士登録 |
2000年8月 | 株式会社アーケイディア・グループ(現株式会社LENDEX)設立 |
2003年3月 | 税理士法人アーケイディア(現清和税理士法人)設立 |
2004年3月 | 東京国際監査法人(現清和監査法人)設立 |
2. 公認会計士の業務について

筧社長のお名前をRSM清和監査法人でも見かけたのですが、現在も公認会計士としてLENDEXの会社経営と並行ながら活動しているのでしょうか?

現在は、LENDEXの業務量が少ないので、公認会計士の仕事と掛け持ちして行っています。LENDEXは創業期ですから、経費を極力節減し、その分投資家の方々に還元したいと考えています。
会社・サービス開始に関する質問
3. 設立から現在までの業務内容について

LENDEXの会社自体は2000年に設立されていますが、2017年のサービス開始までの業務とは?

2017年にソーシャルレンディング事業を開始するまでは、会計コンサルティング業務を行っていました。
4. ソーシャルレンディング参入のきっかけは?

なぜ2017年というタイミングで、ソーシャルレンディング事業への参入を決めたのですか?

実際に参入を考えたのは2015年です。それ以前から参入を検討していましたが、現在のようにソーシャルレンディングが拡大するとは思えず、参入をためらっていた時期があります。
しかし、先行している他社様が順調に業務を拡大しているのを見て参入を決意しました。参入を考えてから実施までに2年弱要しましたが、時間がかかったのは行政の指導を受けたり、業務フローの改善に取り組んだりと準備を進めていたからです。
5. 現在までの手応えは?

サービスを開始してから現在までの手応えはどうですか?

想定よりも反響が高いと考えています。
東急リバブルに関する質問
6. 業務提携のきっかけとは?

LENDEXと東急リバブルが業務提携を組むことになったきっかけは?

東急リバブルさんとは従前より懇意にさせていただいていたので、そのご縁で当社から申し出ました。
7. 具体的な業務提携内容は?

東急リバブルとは具体的にどんな形で提携しているのでしょうか?

担保物件の評価に関する業務提携です。東急リバブルさんの担保物件の評価に必要な書類を当社が準備し、それを基に評価していただいています。
投資案件に関する質問
8. 案件の安全性について

案件の安全性(借り手の返済能力)はどう見極めているのでしょうか?具体的な審査内容や、特に力を入れている点があれば教えて下さい。

現状は不動産担保融資が中心ですので、借り手の財務書類を基にした評価はもちろんのこと、担保物件の評価を重視しています。
審査については審査マニュアルを作成し、審査結果が個人の判断に依存せず、極力客観的に行われるよう工夫しています。
9. 利回りが高いのはなぜ?

LENDEXの案件は抵当権1位の担保がついていたり、運用期間も短いなど好条件の案件が多いように感じますが、なぜ好条件でも利回りが10%と高めなのでしょうか?

利回りに関しては業務開始から間もないこともあり、借り手さんにご協力いただいているのが現状です。
借り手さん、当社、投資家の方々がバランスよく、成長できるように今後も案件を提供していきたいと考えています。
10. 案件の埋まり具合について

案件の埋まり具合に多少差がある気がしますが、集まりやすい案件、集まりにくい案件など、実際に運営して感じることはありますか?

資金の集まり具合は、案件には大きく依存していないと感じています。それよりも今は広告宣伝のかけ方が大きく影響していると考えているのが現状です。
広告宣伝費用をできる限り減らし、その分を投資家の方々に還元したい考えではありますが、やはり投資家の方々に当社の存在ぐらいは認知されないと資金は集まらないのだと最近は認識しております。
11. 追加募集について

LENDEXでは募集額に対して仮に最低成立金額分しか集まらなかった場合、残り分を追加募集することはないのでしょうか?

基本的に追加募集は考えていません。
12. 新しい案件について

今は利回りが10%で運用期間6カ月など似ている案件が多い印象ですが、今後さらに新しい案件を出す予定はありますか?

無担保ですが、利回りが高く、融資期間がより短い案件を出すことを予定しています。また、それを実現するには借り手の調査をより慎重に行う必要があるので、現在この案件に対応した審査方法を開発しているところです。
源泉徴収に関する質問
13. 第1号ファンドの源泉徴収について

1号ファンドの第一回目の分配において、源泉徴収が引かれていないとのお話を耳にしたのですが、どのような経緯だったのでしょうか?

ファンドの配当の分配時は、配当額から源泉税の20%強を差し引く必要があります。この計算は自動的にシステムで行われますし、その仕組みも開発されていました。
しかしシステムにミスがあり、これをシステムテストで明らかにすることができなかったのが原因で、配当から源泉税を差し引かずに多く分配してしまいました。しかし、その後システムを直ちに改修し、次回の分配分から調整されているので現在は正常に稼働しています。
信頼面に関する質問
14. 信頼面でのアピールポイントは?

LENDEXはサービス開始から間もないということもあり、様子見をしている投資家もいると思います。そのような投資家に対して信頼面でアピールできる点を教えてください。

当社はできる限り透明度の高い体制を造ろうと考えています。当社の審査に際しては個人的な見解を極力排除するよう努めていますし、更に外部の方による担保評価を加味した上で融資を実行するか否か、融資額をいくらにするかを判断しています。
また、当社の財政状態を公認会計士または監査法人による監査を受けたうえで公表することを現在検討している段階です。
15. 行政処分について

ここ近年ではソーシャルレンディング業界でも行政処分を受ける営業者が出ています。LENDEXも営業者として、このような問題にどう向き合っていくか考えを聞かせて下さい。

自己を過信することなく常に検証し、投資家重視の視点を持ち続けることが大事だと考えています。また検査が行われても、整然と業務内容をご説明できるよう、他者の視点を持って業務に取り組むよう励んでいます。
セミナー・キャンペーンに関する質問
16. キャンペーンについて

今後キャンペーンを実施する予定はありますか?

キャンペーンの実施予定は現在のところありません。会社の成長とともに今後検討していく予定です。
17. セミナーについて

セミナーに関して。ソーシャルレンディング業界では頻繁にセミナーを開催している営業者もありますが、LENDEXも今後セミナーを行う予定はありますか?

現在のところ明確な予定はありませんが、当社の特色を出せるファンドを開発することができた際には実施させていただきたいと考えています。
最後に
18. LENDEXの強みとは?

現在、続々と新しいソーシャルレンディング営業者が参入していますが、他の営業者にはないLENDEXの強みとはなんでしょうか?

投資家の方々へのリターンを重視しつつ、客観性の高い審査を行っていることです。そのため、ソーシャルレンディングでの差別化は下記の3点からなされると考えています。
①金利
②融資期間
③安全性
投資家の方々にとって、金利と融資期間はわかりやすいのですが、安全性は評価が難しいと思います。当社はこの安全性を、客観性や透明度を高めることによって、明らかにしていきたいと考えています。
19. 今後の展望について

LENDEXが今後計画していること、どのような営業者になっていきたいかなど、今後の展望について教えてください。

いたずらに規模を追わず、投資家の方々から信頼される営業者になりたいと考えています。借り手、当社、投資家の方々が、みな良かったと思える事業を構築していきたいと考えています。
20. 投資家へのメッセージ

最後に投資家にメッセージを一言お願いします。

投資は慎重に行ってください。いろいろなことを我慢して頑張って得たお金ですから、大事に使ってください。
当社は投資家の方の思いにこたえられるよう、精いっぱい考えて、正直に、大事に運用させていただきます。
インタビューの感想
今回はLENDEX(レンデックス)の筧社長にお話を聞きました。合計20問とかなりの質問数がありましたが、快くインタビューに応じてくれた筧社長には本当に感謝です!
そしてLENDEXについて言うと、LENDEXはソーシャルレンディング業界の中でもまだまだ新しい運営会社。しかしながら、大手不動産会社の「東急リバブル」が担保を評価し、高利回りかつ安全性を重視した案件の提供を行うなど、着実に人気を集めている運営会社でもあります。
実際に当サイトでも、その利回りや安全性が魅力的だという理由から投資を始めた方もいて、利回り重視の投資家から注目されている運営会社という印象がありました。
しかしLENDEXに関して言うと、インタビューする前から一つ気になることがあります。それは「なぜ好条件の案件でも利回りが高いのか?」ということです。ソーシャルレンディング業界には高利回り案件を提供している運営会社は他にもありますが、利回りが高い代わりに担保がついていない案件などもあります。
その一方で、LENDEXは担保の評価を東急リバブルが行い、査定価格の80%を上限にファンドを組成。安全性を確保しながら、期待利回りも10%前後と、投資家にとってはなかなか好条件のファンドを生成している営業者だと言えるでしょう。
▼LENDEXの実際の案件
しかし、今回のインタビューでLENDEXが今後ずっと高利回りで案件を提供していく可能性は低いと感じました。なぜなら筧社長曰く、LENDEXの利回りはサービス開始直後ということで“借り手側の協力を得て成り立っている”という背景があるからです。
実際にサービス開始当時から利回りが低くなった運営会社もありますが、筧社長の話からすると、LENDEXもある程度運営が落ち着けばいつ利回りが下がってもおかしくない状態であることが考えられます。
また、筧社長は今後のLENDEXについて。今はいたずらに規模を追うのではなく、投資家からの“信頼”という面を重視したいと語っていました。確かにLENDEXは今までキャンペーンなど特に目立った宣伝活動も行わず、地道に案件を提供し続けているので、そのような姿勢を見ても着実に実績を積み重ねるというスタンスで営業を行っていることが分かります。
そのため、今はキャンペーンなどは実施されないかもしれませんが、先程もお話したように、今後利回りが下がる可能性は否定できません。サービスを開始した今だからこそ投資できる案件もあると思うので、投資してみたい方は優良案件を見逃さないようチェックしておきましょう!