
いま何かと騒がれているビットコインなどの仮想通貨。
仮想通貨とは通常のお金のような実物がなく、インタ-ネットの中だけで使うことができるお金のことです。インターネットがあれば世界中で使うことができ、国境を気にすることなく送金できるなどのメリットから非常にその利便性が注目されています。
しかし、そんな仮想通貨の可能性が期待される中、入ってきたのはあの大手通信アプリを手がける「LINE」が“仮想通貨詐欺に利用された”というニュース。
どうやら今インターネット上には「LINECOIN」なる公式サイトとは全く関係のない偽サイトが立ち上がっているようで、LINEが仮想通貨で資金調達を行う『ICO』に参加するとの旨も記載されているようです。
「一体誰が何のために偽サイトを作ったのか?」今回はLINEが被害にあった仮想通貨詐欺の全貌から、ICOの危険性ついて考えていきたいと思います。
この記事の目次
そもそもICOとは何か?

それではICOの危険性を考えていく前に「そもそもICOとは一体何なのか?」ということを簡単に解説していきましょう。
ICO(イニシャル・コイン・オファリング)とは資金調達を行いたい企業が「トークン」と呼ばれる独自の仮想通貨を発行し、そのトークンをビットコインなどの仮想通貨で投資家に購入してもらい資金調達を行うことです。

しかし、ICOと聞くとなんだか難しく考えてしまいがちですが、この仕組み自体はほとんど「クラウドファンディング」と変わりません。インターネット上で投資家を募り、リターンとしてトークン(仮想通貨)が発行される。
投資家は手に入れたトークンで支援した企業の特典やサービスを受けることが出来たり、トークンを売却して配当を得ることも可能です。特に今回騒動となっているLINEなど、将来的にも成長が期待できる企業のトークンを所持しておけば、企業の成長とともに大きなリターンも期待できるでしょう。
LINEがICO詐欺に利用された!?
そして今回飛び込んできた衝撃的なニュースが、私達がよく利用している通信アプリ「LINE」が“ICO詐欺”に利用されたのではないかという情報。
詳しく調べてみたところ、LINEが仮想通貨事業としてICOを行うという名目で、インターネット上には「LINECOIN」なる偽サイトが立ち上がっているようです!
また、さらにはLINEではおなじみの「コニー」や「ブラウン」などのキャラクターも無断で使用されており、一見LINEの公式サイトのような印象を受けてしまいます。
▼実際の偽サイトがコレ!

このように、あたかもLINEの公式サイトのような作りになっているので、本当にLINEがICOを行うのではないかと騙されてしまいそうです。
この偽サイトで投資家から支援金を騙し取ることが目的だったのか、もしくはサイト上でログインさせてアカウントを盗むことが目的だったのか定かではありませんが、人を騙すようなサイトを作っている時点でアウトだと言えるでしょう。
LINE公式が注意喚起を呼びかけ!
また、この偽サイト「LINECOIN」に対して、LINEの公式Twitterが下記のような注意喚起を呼びかけています。
LINEを騙った仮想通貨事業「LINE COIN」が報告されていますが、 LINEが提供するものではなく、また現在LINEが公式に提供している「LINEコイン」との関連もありません。
— LINE公式アカウント (@LINEjp_official) 2017年10月16日
LINEの公式情報は公式HPよりご確認ください。https://t.co/d8KxAY2bru
やはりLINE(公式)とは全く関係ないとのこと!
そして、現在LINE(公式)が提供している「LINEコイン」と、偽サイト「LINECOIN」も全くの別物だということなので、間違えないように注意しておきましょう!
Twitterには様々な反応が!
そして、管理人が今回の騒動を知るきっかけとなったのが、有名ブロガー「イケダハヤトさん」の下記のツイートです。
大胆ですねーw / LINEがICOして「LINECoin」をリリースだってー!? ……もちろん詐欺なのでご注意w : まだ労働で消耗してるの? https://t.co/3dvlLCYkAy pic.twitter.com/4Xqx9vVw77
— イケダハヤト@仮想通貨 (@IHayato) 2017年10月15日
管理人はこのツイートを見て、LINEがICO詐欺に利用されていることを知りましたが、実際に偽サイトだけ見ていれば騙されていた可能性もあります。
しかし、報道によると2017年10月16日の時点ではLINECOINによる被害報告はないそうなので、イケダハヤトさんのように早い段階で詐欺だと気づいた方も多かったのかもしれません。やはり常に情報収集しておくことが大切だとあらためて実感しました。
中国や韓国でも全面禁止。ICOは危険なのか?

それでは、LINEなど日本の有名企業がICO詐欺に利用されてしまった今回の騒動から「ICOは危険なのか?」その危険性について考えていきたいと思います。
実はICO(仮想通貨による資金調達)に関して言うと、2017年10月時点で中国や韓国など全面禁止となる国が相次いでいるのが現状です。ちなみに日本ではまだICOに対する規制はありませんが、規制案の見直しは入るようなので、今回のLINE騒動をきっかけにまた何らかの動きが見られるかもしれません。
しかし、なぜICOはここまで危険視されているのでしょうか?
その問いに対して、あくまでも管理人個人としては「ICOは詐欺として利用しやすい」ことが理由ではないかと考えます。まず第一に、仮想通貨は本物の通貨ではないので、価値がないと所持していても意味がないということ。
特にICOで投資家が手にすることができるトークンは、仮想通貨の中でも有名なビットコインやイーサリアムなど取引所で売買できる仮想通貨とは違い、企業が上場するなどの成長が見込めなければ通貨としての価値がありません。
そのため、必ず上場する企業への投資などと謳ってICOに勧誘し、蓋をあけてみれば「上場するというのは根っからの嘘」「そもそも企業自体実在しなかった」など、無駄にトークンだけ売りつけられて終わる詐欺に合う可能性もあるでしょう。
ICO自体は詐欺ではない!
しかし、もちろんICO自体が詐欺というわけではありません。
今回のLINE騒動に関しても、LINEのような成長が期待できる企業のトークンを所持する=将来的に大きなリターンが期待できるかもしれないと思うのが人間です。そして、そんな人間の欲に目をつけてくるのが詐欺師なので、私たちはICOを詐欺だと思うのではなく、ICOを語る詐欺師に騙されないように注意する必要があります。
COMSAの誕生で日本のICOが変わる?

そこでICOで詐欺に合わないためにも知っておきたいのが、2017年10月に日本から始動したICOプラットフォーム、COMSA(コムサ)です。
COMSAはテックビューロ社(大手仮想通貨取引所「Zaif」を運営)が手がけるICOプラットフォームで、企業がICOに参加するための審査やサポートを行い、投資家が安心してICOに参加できるサービスを展開しています。
あのSBIグループもICO事業に参入!

また、2017年10月11日には金融業界大手の「SBIホールディングス」の公式サイトで、SBIグループの1社であるモーニングスターが、ICOの格付け事業を開始すると発表。
SBIグループと言えば、証券会社や銀行、投資型のクラウドファンディング業界で言うと、「SBIソーシャルレンディング」などの事業も展開しています。
そんな金融業界大手のSBIグループがICO事業への一歩を踏み出したということは、それだけICOに対する期待が高まっているとも考えられるので、今後の日本におけるICOの本格普及が進む可能性もあるかもしれません。
ICOが今後どのような動きを見せていくのかその動向に注目しておきましょう!
追加:LINEが新しく仮想通貨の取り扱いを開始!今度は本物のよう。
そして2018年1月31日、LINEが仮想通貨の取り扱いを始めると発表しました。
どうやら今度は詐欺ではないようですね。もともとLINEはモバイル決済サービス「LinePay」をリリースしており、年間取引高は4500億円、登録ユーザー数4000万人という規模を誇っています。
今回新しく設立されるのは金融事業関連を取り扱う「LINE Financial」です。このサービスが開始されることで、ローンや保険と言った金融関連サービス、仮想通貨交換や取引所がLINE上で提供されることとなります。
何かと騒がれるセキュリティの問題については、これまでLINEが培ってきたノウハウと、仮想通貨のブロックチェーン技術などを駆使しユーザーにとって便利・安心な金融サービスの提供を目指すとのこと。
今や国内のほとんどの人が使っているLINEが仮想通貨を取り扱うということで、今後LINEから仮想通貨の取引を行う方が増えるかもしれませんね。今後の成り行きを見守っていきましょう。