
再生可能エネルギー分野において今でも成長分野となっている太陽光発電。このページでは、盛り上がりを見せる太陽光発電市場について今の現状、また今後の懸念点についても見ていきましょう。
太陽光ファンド会社が次々と上場?
2017年3月、太陽光発電に投資し運用している日本再生可能エネルギーインフラ投資法人が、東京証券取引所インフラファンド市場に上場しました。

※画像は2017年3月の日本経済新聞ニュースより
インフラファンドとして3本目となり、太陽光発電に需要があることが今回の上場から読み取れると思います。
そもそもインフラファンドとは何なのかというところを掘り下げると、太陽光発電設備などのインフラ施設を投資対象とするファンドの事を指し、投資信託で馴染みのある不動産投資信託(J-REIT)と同様の仕組みです。
不動産投資信託は、投資法人が投資家から集めた資金や銀行から借り入れた資金を元手に再生可能エネルギーの発電施設にインフラ投資を行い、投資法人は保有するインフラ施設から得た収益を投資家に分配していきます。
既に上場しているタカラレーベン・インフラ投資法人の2ファンドの分配金が5%を超えており、これは不動産投資信託の平均利回り3.7%をすでに上回っていることを考えると、今後さらに太陽光ファンドが進出してくる可能性があると言えるでしょう。
なぜ太陽光ファンド市場は拡大しているのか?

それでは、なぜ太陽光ファンドの市場が拡大しているのかについてですが、まず国の固定買取制度により電力買取価格が低くなっていたとしても、比較的安定的な収益が見込めること、そして自然エネルギーであることから比較的運営が継続しやすい背景があるということが考えられます。
確かに最近のニュースから電力動向を見てみると、原子力発電が廃炉の方向に進んでいることや、電力自由化によって競争が激化していることもあり、社会インフラ分野である電力は今後も需要がある分野となってくるでしょう。
日本において、再生可能エネルギーには太陽光発電以外に風力発電やバイオマス発電、そして今後注目されている地熱発電や燃料として実用化を目指すメタンハイドレードなど次世代の燃料も実現に向けて進んでいますが、まだまだ社会インフラに追い付いていない現状があります。
太陽光発電がこれほどまで普及した背景には、古くから太陽光での運用実績がしっかりと積まれている事で安定的になってきたことや、使われていない農地放棄地を活用していけるなどの需要がある事もその一つだと考えられるでしょう。
太陽光ファンドの懸念点は?
今は安定していると言われる太陽光発電ですが、今後も絶対安心という保証はどこにもありません。再生可能エネルギー分野においては今様々な方法が出てきており、運営会社にしてみればコストを削減し、いかに多くの電力を生み出していくことが重要か、それに伴い新しい技術を探し続けていることもあります。
国の買取制度においても常に市場の動向を伺いながら買取価格を設定しているため、急激な買取価格の下落の懸念はないと思いますが、徐々に収益に影響を与える可能性があり、見込んでいた利益が得られないという事も考えられるでしょう。
投資を行う投資家にとっても再生可能エネルギーの買取価格やファンドを運営する投資会社の財政が健全に行われているのか注視しておく必要があります。
ソーシャルレンディング分野でも新しい再生可能エネルギーのファンドが続々と投資家募集を行っており、海での温度差を利用した海洋温度差発電(OTEC)事業ファンドにおいては、募集金額が満額となり成立しました。

このファンドに関わる事業者は太陽光発電開発事業以外にも海外水力発電開発事業、バイオマス発電開発事業、その他の再生可能エネルギー事業の開発支援なども行っている事から、再生可能エネルギー分野でもリスク分散ができていると考えられます。
まとめ
太陽光ファンドにおいては、今様々な再生可能エネルギー技術が出てきており、将来の買取価格は未知数と言える部分もあります。そのため、見込んでいた利益が得られないという可能性もありますが、現状では国の固定買取制度により比較的安定的な収益が見込めると考えられるでしょう。
様々な見解はありますが、インフラファンドの3本目が上場したニュースなどを見ると、今後その需要は高まってくるのではないかと予想します。
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