
実態のないファンドへ出資させていたとして「クエストキャピタルマネージメント有限会社」の松井直幸社長ら5人が逮捕された詐欺事件。
およそ113億円を超える金額を集めたこの詐欺事件には芸能界でも江角マキコさん、布袋寅泰さん、GACKTさんなどの著名人が出資していたと週刊新潮が報じるようで、老後の蓄えを全額失った人が現れるなど波紋を呼んでいるようです。
そこで今回はこのクエストキャピタルマネージメントのファンド詐欺とは一体どんな手口だったのか、これからファンドへの投資で詐欺に合わないために気をつけるべきことなど詐欺に合わないための対策を紹介します。
この記事の目次
詐欺の手口。実態のないファンドへの出資とは?

では始めに今回のファンド詐欺の手口からお話していきましょう。
まず今回、事件を起こして逮捕されたのがクエストキャピタルマネージメント有限会社の松井直幸社長ら5人。この5人は運用実態のない「AR2」というファンドへの出資話をもちかけておよそ113億円を騙しとったとみられています。
詐欺の手口としては「出資してもらった資金を運用してその利益を分配する」と謳い、実際には集めたお金を運用することなく、その一部を配当に回すことであたかも分配金があったかのように見せるポンジ・スキームという手口。
しかも松井容疑者らは「元本保証」「毎月必ず3%の配当」「独自のシステムでほどんどリスクがない」などと投資家にアピールしていたということも分かっています。通常よく考えれば元本保証などリスクが全くない投資などないとありえないと思いますが、うまい儲け話に弱いのが人間。その弱みにつけ込んで言葉巧みにお金を騙しとった非常に悪質な詐欺のケースです。
被害続出!老後の蓄えを全て失ったという人も…

そして今回のファンド詐欺で松井容疑者らは東京や神奈川など15都府県の出資者63人から約113億円を集めており、うち約85億5,000万円が詐欺でだまし取ったお金とみられています。
出資者の中には1,000万円以上出資し老後の蓄えをほぼ全額失ってしまった人や、800万円を投資してその後配当が一度もないまま、音信不通になってしまった人など多くの方が被害に合われているようです。
また、冒頭でもお話しましたが芸能界でも江角マキコさん、布袋寅泰さん、GACKTさんなどの著名人らが一部で親しい知人を介して紹介を受け、出資してしまったという話をしているとのこと。一体いくら投資したんだと気になる被害額は分かっていませんが、芸能人ということで被害額も大きかったのではないかと予想されます。
このように多くの方が被害に合われており、特に老後の蓄えを全て失ってしまった方などの気持ちを考えると本当に胸が痛くなる悪質な事件です。自分がもしそんな投資詐欺に合ってしまったらと思うと投資するのが怖くなってしまいます。
ファンド詐欺に合わないために

ではこのようなファンド詐欺に合わないためにはどうすればいいのでしょうか?
もちろん誰でも自分が騙されるとは思っていないので詐欺による被害が発生してしまうわけですが、今後少しでもこのような投資詐欺の被害を防ぐためにも詐欺に合わないための対策について考えていきましょう。
うまい儲け話には手を出さない
ではまず対策として1番に考えておきたいのが、今回の詐欺でもあったように「元本保証」「リスクがない」「利回り3%保証」などを謳ったうまい儲け話には手を出さないように注意するということです。
基本的に投資においてリスクがないということはありえませんし、「元本保証」「絶対に損しない」などうまい儲け話が回ってきた時は最初から疑う気持ちを持っておきましょう。
大きな額を投資せず分散投資を行う
次に詐欺への対策として必要なのは大きな金額を投資せず、必ず分散投資を行うことです。先程お話したように老後の資産を全て出資して失った方もいますが、全財産を1箇所に集中して投資するという行為は非常に危険なのでやめましょう。
投資の世界では「卵を一つのカゴに盛るな」という有名な言葉がありますが、卵を一つのカゴに盛るとカゴを落とした時に全て割れてしまいますが、卵をいくつかのカゴに分けておけば一つのカゴを落としても残りの卵は残るということを表しています。
よって全財産を1箇所に投資するのではなく、分散投資としていくつかの投資先に分けて投資するということが非常に重要となってくるでしょう。
怪しい運営会社ではないか調査する
そして最後に対策としてファンドの話を持ちかけてきた運営会社が怪しい業者ではないか?しっかりと調査することが大切です。
基本的にファンドを運営するには第二種金融免許という免許の取得が必須ですが、今回詐欺を起こしたクエストキャピタルマネージメント有限会社は無登録で営業を行っていたということが分かっています。
また直接、知り合いや会って間もない人などから軽く持ちかけられた話に投資する行為は危険です。もしも話を聞いたとしてもまずはネットで運営会社の情報収集を行う、又は金融庁に相談することもできるので、すぐに投資しないよう心がけておきましょう。
また、こちらから金融庁が公開している投資詐欺に関する情報を確認することができるので心当たりがある方は確認して下さい。
実際にこれらの対策を行って確実に詐欺が防げる訳ではありませんが、頭に入れていざという時のために思い出せるようにしておきましょう。
投資型クラウドファンディングの詐欺の危険性は?

そして最後に新しい資産運用として注目されている「投資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)」の詐欺の危険性についてもお話をしていきましょう。
と言うのも投資型クラウドファンディング自体は金融庁が推薦している新しい投資商品で詐欺という訳ではありませんが、今回の事件と同様に出資者を集めてファンドを運用し、分配金を配当するタイプの投資先だからです。
よって今回のファンド詐欺が起きたことですでに投資型クラウドファンディングをご存じの方も「詐欺の心配はないのか?」と心配している方が多くいることが予想されます。実際に自分も嘘のファンドに出資してしまったらどうしようと不安になったのは言うまでもありません。
そこで投資型クラウドファンディングについてですが今後絶対に詐欺がないとは言い切れません。しかし、それはどんな投資商品にも言えることで常に投資詐欺は私たちの身近に潜んでいるということです。
ですが、投資型クラウドファンディングの運営会社が信頼できると見抜くポイントを挙げるならば「第2種金融免許」を取得しているかどうかということ。今回、詐欺を起こしたクエストキャピタルマネージメント有限会社は無登録での営業を行っていたようですが、投資型クラウドファンディングの運営業者は必ず免許を取得して運営しています。
実際にサイトを見てみると分かると思いますが、運営サイトにも記載しているので不安な方は一度確認してみて下さい。

また投資型クラウドファンディングは基本的に利回りが5%以上と非常に高いのが魅力的な部分。しかし、今回の詐欺ファンドと決定的に違うのは「元本の保証がない」ところです。
逮捕された松井容疑者らは「元本保証があって利回りが高い」と謳っていたようですが、何度もお話しているように基本的に元本保証がある投資商品などはよっぽど利回りが低い投資先くらいしか存在しません。
そう考えると、元本保証がないのはデメリットではありますが、リスクがある分利回りが高いという投資型クラウドファンディングは正当な投資先であるということが言えるでしょう。よってその点をしっかりと抑えておけば、今後も投資型クラウドファンディングで投資することに問題はありません。
しかし、少しでも投資詐欺の可能性をなくすためにも先程お話した「うまい儲け話に手を出さない」「分散投資を心がける」「運営会社を確認する」などの対策をしっかりと行い、投資するするよう心がけて下さい。
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