
あなたは「クラウドファンディング詐欺」というものをご存知でしょうか?
日本ではまだあまり耳にしませんが、近年アメリカではクラウドファンディングで「資金を騙しとられた」という被害が多発しているようです。
そこで今回はそんなクラウドファンディング詐欺の手口と被害に合わない為の対策を紹介したいと思います。損をしないためにもしっかりと確認しておきましょう。
この記事の目次
ケース1:資金を募集している起案者による詐欺

それではまずクラウドファンディング詐欺の1つである「起案者」による詐欺についてお話しましょう。
このケースは前述したアメリカで多発している詐欺に多く、資金を提供しても「商品が届かない」「届いた商品が使い物にならない」といった「寄付型」や「購入型」に多く見られる詐欺です。クラウドファンディングの普及に伴い日本でも今後増える可能性があるので注意しておきましょう。
起案者による詐欺の手口
ではその詐欺の手口として具体的にどんなものがあるか例を見ていきましょう。
- 震災復興の為の資金調達と偽り集まった寄付金を騙し取る
- アイドルのイベントなどを偽り、実際には開催予定のない架空の資金調達を行う
- プロジェクト達成後も一向に支援者に商品を渡さない
- 募集内容とあきらかに異なった商品を用意して届けたと報告する など
このように詐欺師はあたかも起案者としてそのプロジェクトが実在するかのように謳い、その後「プロジェクトを実行しない」「連絡を絶つ」という手口で支援者から資金を騙し取ります。
しかしこれらはあくまでも事例なので、実際は「実現が難しく時間がかかっている」「理由があり実現を断念した」というケースもあり「絶対に詐欺である」と言い切ることは出来ません。
ですが、もしもこのような行為を本当に詐欺として行っているのであれば、起案者の夢やコンセプトに共感し「支援したい」と思った支援者の思いや善意を“裏切る行為”である為、絶対に許すことは出来ないでしょう。
それではこのような非常に悪質な詐欺を事前に防ぐ為にはどんな事が出来るか、その対策を紹介します。
起案者による詐欺への対策
【対策1】その起案者が信用出来るのか「起案者情報」を確認する
自分の目で信頼できる起案者か見極める為に「起案者情報」をしっかりと確認しましょう。この起案者情報とはどのプロジェクトにも掲載されているもので、特に最近では“起案者自身のサイトやSNSページ”が掲載されていることが多いので、それらを活用して調査するのも1つの手です。
【対策2】実現可能なプロジェクトか見極める
出資する前にそのプロジェクトが“実現可能か見極める必要がある”でしょう。クラウドファンディングは未知の商品を生み出す楽しみがある一方で、出来上がっていない商品に対して資金提供を行うリスクもあります。よって「コンセプトが曖昧」「どう考えても実現が困難」であるプロジェクトには出資しないようにしましょう。
【対策3】プロジェクト掲載時に審査があるか確認する
起案者のプロジェクト掲載時に「審査」がしっかりと行われているか確認しましょう。クラウドファンディングの運営サービスはプロジェクト掲載時に審査を設けていますが、過去には“審査がなく疑わしい案件を掲載しているサービス”も存在しました。よってこのような疑わしい案件で詐欺に合わない為にも、起案者の掲載に対して明確な審査があるかしっかりと確認することが大事です。
このように対策として大切なことは、プロジェクトに「いいな」と思いすぐに資金を提供するのではなく、相手や募集時の情報などの確認をしっかりと行うということ。
こうした確認はクラウドファンディングだけでなく、ネットショッピングなど“顔の見えない相手”と金銭のやり取りを行う際にも必ず必要になることなので、常に頭に入れておく必要があるでしょう。
ケース2:運営サービス会社による詐欺

次にクラウドファンディングの運営サービス会社自体が詐欺を行っているケースについてです。
このケースですが、融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)においては過去に中国の運営会社が詐欺で告発されるなど、非常に大きな問題となりました。日本ではまだそのようなケースはありませんが今後起こりうる可能性もあるのでしっかりと頭に入れておきましょう。
運営サービス会社による詐欺の手口
ではまずは詐欺の手口としてどんなものがあるか具体例を見てみましょう。
この例はかなり極端かもしれませんが、詐欺会社はこのように資金を集めてから「意図的に経営破綻を行う」などの非常な悪質な手口で資金を騙し取ります。しかし、この場合問題なのは“意図的”に行うという部分で実際に運営が厳しくなるというケースもあるでしょう。
この「ポンジ・スキーム」に関しては前述の通り、実際に中国で起こった事例で「出資してもらった資金を運用してその利益を出資者に配当する」などと謳いながら、実際には資金運用を行なわないという手口です。
このように手口としては「意図的に運営破綻を行う」「実際に資金運用は行なわない」など極めて悪質なケースが存在します。しかし、これらはあくまでも例なので運営サービス会社自体が詐欺を行っているケースは非常に稀ではありますが、クラウドファンディングがあまり知られていなかった頃は詐欺まがいのサービスもあったようです。
では実際にこのような運営サービス会社による詐欺被害に合わないための対策としてどんなことが出来るのか紹介します。
運営サービス会社による詐欺への対策
【対策1】リスク開示や分別管理が行われているか確認する
破綻時の資金返却について中には「リスクの開示」や「分別管理」を行っているサービスもあります。分別管理とはサービスの運営費と資金を分けて管理し、破綻した場合の資金消失を守る管理方法です。このように自ら「どんなリスクがあるか」「破綻した場合はどうなるか」など明確な考えがあるサービスは比較的信頼できると言えるでしょう。
【対策2】運営会社について調査する
運営会社について「実際に存在しているか」「電話番号が使われているか」などの情報をネット等で調査しておきましょう。「記載はあるが地図上に実在しない」など運営者情報だけでは分からないこともあります。また“運営者情報がないサービス”などは最初から疑うようにしていいかもしれません。
【対策3】サービスの実績を確認する
そのサービスが利用者にどんな「利益」を与えてきたか実績を確認しましょう。「融資型・ファンド型・株式型」であれば無事に金銭的リターンを得た人がいるか、「購入型・寄付型」であれば成功したプロジェクトがあるかなど、そのサービスが過去にどんな実績を残してきたか確認しておくことは大切です。
このような対策から共通して言えるのは“信頼できるサービスを利用する”ということ。
現在、クラウドファンディングのサービスも種類が多い為、その中から判断するのは難しいとは思いますが、運営者情報や実績、利用者数など自分なりに判断基準を決めてどのサービスが信頼できるのか見極めることが大切になります。しかし、全てのサービスを自分の目で見て判断するというのも手間がかかるので、その場合は比較サイトやまとめなどを利用してみるのも1つの手段かもしれません。
クラウドファンディング自体は詐欺ではない

今回クラウドファンディング詐欺についてお話しましたが、今までの話からも分かるように決してクラウドファンディング自体が詐欺という訳ではありません。
クラウドファンディングは今までにない“新しい資金調達方法”として「この世にない商品の開発」や「人助け」「資産運用としての活用」など幅広い可能性を持っており、今後更なる成長が期待されている市場でもあります。
特に、ふるさと納税などでも広がりを見せている「寄付型」のクラウドファンディングに関しては、人の善意で成り立っている部分も少なからずあり、これを悪用することは許されるような事ではありません。
当然、詐欺は騙す方が100%悪いですが、利用する側もクラウドファンディングで被害に合わない為に、今回紹介した対策をしっかりと行って是非活用してみて下さい。
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